立ち仕事の人は、長時間に渡って立っている間中足底で体重を支え続けなければならず、足底には過剰な負荷がかかっています。立ち仕事はむくみなど血流も悪くなりがちなので、足底腱膜は柔軟性を欠く回復力に乏しい状態におかれてしまうのです。
こんにちわ
久しぶりのいいお天気ですね。今日は、最近当接骨院でも多く見られる足の裏の痛み(足底筋膜炎)についてお話ししたいと思います。
足底筋膜炎(そくていきんまくえん)とは?
足の裏にある、指の付け根からかかとの骨にかけて走るスジの束、これを足底筋膜(足底腱膜)といいます。ちょうど『土踏まず』のアーチを形成する部分になります。
この部分に炎症が起き、小さな断裂を起こして痛みをもたらすケガを『足底筋膜炎』と言います。
足底筋膜炎の原因と症状
○原因○
1.運動不足からの過激な運動
あまり運動をしたことのない40歳代より上の人は、足底腱膜炎になりやすいようです。
たとえ運動経験があっても、何年もしていないのに、以前のような気持ちで=若い頃のようなペースで、突然運動してしまうと、発症の原因になりますので注意が必要ですよ。
☆足底腱膜が加齢によって硬くなっているのに、突然運動をして、緊張を強いたり体重移動をしたりジャンプしたりと過激なほどの負荷をかけてしまうため起こるものです。
2.マラソンやジャンプ等を繰り返すスポーツによるもの
ランニングやジョギング、長距離を走る人は、足底腱膜炎を発症しやすいと言われています。ランニング動作の繰り返しによる足底のオーバーユースが原因です。ランニングは特に下り坂やでこぼこした表面を走ることにより、足への衝撃が繰り返し起こるものだからです。
3.加齢による足のアーチの低下や、偏平足、甲高(ハイアーチ)によるもの
足のアーチの形には「扁平足」・「ハイアーチ」・「通常のアーチ」の3種類があります。このアーチの種類によって、足底腱膜にかかる負担が増してしまいます。土踏まずはアーチ状になっていることで、ランニングやジャンプなどの動作で足にかかる衝撃を和らげてくれています。
偏平足…足のアーチが落ちてきてしまった状態のことです。アーチが落ちてくると足底腱膜は引き伸ばされた状態になり、踵の骨に付着する部位に強い牽引力がかかり、踵の前方に痛みを感じます。またアーチがないと衝撃が直接足底腱膜にかかることになり、足底腱膜炎を起こしてしまいます。
アーチが高すぎる=ハイアーチ…ハイアーチでは足首の柔軟性が乏しく、足首の衝撃緩和作用がなくなっているので、衝撃を足底が直接受けてしまいます。運動のし過ぎでアーチが高くなったり、低くなったりすることもあるんですよ。
4.長時間の立ち仕事など
立ち仕事の人は、長時間に渡って立っている間中足底で体重を支え続けなければならず、足底には過剰な負荷がかかっています。立ち仕事はむくみなど血流も悪くなりがちなので、足底腱膜は柔軟性を欠く回復力に乏しい状態におかれてしまうのです。
5.足首の関節の固さ
足首の関節には、ランニングやジャンプの動作の衝撃を吸収する作用があります。足底のアーチにも衝撃を吸収する作用があり、両方に柔軟性があれば、それぞれが足にかかる衝撃を分散することができます。
しかし、足首の関節が固くなってしまうと、足首ではランニングやジャンプの動作の衝撃を吸収することができなくなってしまうため、足底に衝撃がすべて伝わってしまい、足底に過大な負荷がかかり、足底腱膜炎を引き起こしてしまいます。
6.外的要因
足底にかかる負荷が大きいため足底腱膜炎の原因になります。
○特徴○
・朝起きての数歩が、とても痛いがそのうち軽くなる。
・長時間座っていて、急に歩き出すと痛む。
・かかとの骨の前方内側を押すと痛みがある。
・スポーツの後痛みが強くなる
☆足裏ケア☆
足底筋膜炎の予防と改善には、ストレッチが有効です。
ただし、炎症がひどいときには無理に行わず、炎症が引いてから徐々に行ってくださいね。
症状がなくなってからも、ストレッチは続けると再発予防になりますよ。
足裏のストレッチ
ふくらはぎのストレッチ …腓腹筋・ヒラメ筋を伸ばす。
すねのストレッチ …足指を内側に曲げて足首を伸ばし、体重をかける。
足底筋膜のストレッチ …足首を直角にし、親指を手前に引っ張る。
※親指を引っ張ってかかとが痛くなる場合は、かかとに炎症があるので行わないで下さいね。
足裏のマッサージ
お風呂に入ったときに行うと効果的ですよ。
足裏の踵から指の付根に向かって、線を描くようにマッサージする。
かかとの前部分と、親指付根の膨らんだ部分の下側(足底筋膜の始点と終点)は、念入りに。
※ただし、マッサージをして痛みを感じる場合は、炎症を起こしているので行わないで下さいね。
☆ポイント☆
痛くなるほど伸ばさない。
ストレッチの3原則は、痛くない程度に、息を止めずに、ゆっくり伸ばす、です。
ストレッチは、運動の前と後に必ず行ってくださいね。
入浴後の体が温まっている時に行うとより効果的ですよ。
○痛くなってしまったら?○
通院治療のほか、インソール(靴の中敷)や足底パッドの使用により症状を軽減し、予防することもできますよ。
これらの物は、足の形状や症状に合ったものを使用することが大切です!
痛みがある場合には、当院へお気軽にご相談ください。